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離婚と税金
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離婚と税金 平成21年10月
ある日、自宅でのんびりしていた国税太郎が受話器を取るとこんな電話が‥。
「もしもし、国税 太郎様ですか。」
「はい、国税 太郎ですけど。」
「奥様との離婚が正式にお決まりだそうで‥。」
「ええまあ、この間、家庭裁判所で‥。ところでおたく、どちらさんです?」
「○○税務署のものですが」
「税務署って、あなた-私は会社で年末調整しているから、会社の方へ言ってくださいよ」
「いやいや、給与所得のことじゃなくて、奥様にお渡しになる財産分与のことなんです」
「財産分与?」
「今お住まいのご自宅を、奥様にお渡しになるとか‥。納税のお支度は、お済ですか」
「納税って、税金を納めること?」
「もちろんです。ざっと2800万円ってとこですかね、お納めいただくのは」
「2800万円?わたしが?」
「もちろんです。財産分与には、譲渡所得税がかかりますから。あ、それからついでに申し上げますと、あと、住民税が約900万円、合計で3700万円ほど御用意下さい」
と電話の主はこともなげに言う。
「そんな、あなた‥3700万円も現金で支払えるんだったら、家内にはそれを渡しますよ。手元に現金が無いからこそ‥。」
「そんなことをいまさらおっしゃってもらっても困ります。不動産を財産分与した、そこで当方としては、法律に則って適正に課税する。それだけの話でございまして‥。」
「もらった家内の方にかかるのならまだしも、渡した私がどうして税金を払わなきゃならないんです。泣きっ面にハチじゃないですか。」
太郎はのんびりしているどころではなくなってしまった。
「国税太郎さん、『所得税法基本通達33-1の4』にちゃんと書いてあります。泣き言をおっしゃらないで、しっかりそれをお読み下さい。日本は法治国家なんですから、知らなかったでは通りませんよ。」
「‥」
「じゃ近いうちに請求書をお届けしますから-期限内にお振込み下さい、ガチャン!」
「ちょ、ちょっと待った、まだ話が‥」
-ん、夢か‥寝床で目を覚ました国税太郎だった。
妙な夢を見たもんだ。そうかTVのチャンネル争いで負けてふてくされて寝てしまったんだ。
寝入り際に離婚なんてことをチラッと考えたのがまずかったのか。
あれだけ税金がかかるとなると-なんだかんだ言いながら、こいつとは一生別れられそうにないな、などと考えている国税太郎であった。

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